フランスといえば、言わずと知れた世界有数のワイン生産国。ボルドーやブルゴーニュなど、世界を代表する生産地域は数多く、そのスタイルも多岐にわたりますが、みなさんはどこのワインがお好きですか?
今回はせがわ酒店では、フランス・ローヌを代表的する造り手「ギガル」のアイテムを比較する社内試飲会を開催。各店のスタッフと共に、18のアイテムをテイスティングしてきました!そのうち、オンライン店に新しく入荷してきたのは5種。もともと取り扱いのある3種と合わせて、その魅力をスタッフが感じたおすすめポイントと共にお伝えします!
■そもそもローヌってどんな土地?
ローヌ地方はフランスの南東部に位置し、スイスから地中海まで流れるローヌ川の南北200キロに渡るワインの生産地です。ブドウの栽培地は、夏は暑く冬が寒冷な北部と、それよりも気温が高く温暖で雨の少ない南部に分かれ、それぞれ年間の平均気温が2℃ほど異なります。そのため栽培されている品種も大きく異なり、そのワインスタイルも変わってきます。北部はシラー、ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌなど白黒両方のブドウが栽培されており、シラー単一か若干の白ブドウを混ぜて造られる力強い赤ワインや、ヴィオニエで造られる華やかな白ワインが有名です。
それに対して南部では、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソーなど、暑い気候に向いている黒ブドウの栽培が盛んで、複数の品種を用いて造った複雑な赤ワインから、低価格の白・ロゼワインまで幅広く生産されています。ローヌ全体の生産量を考えると、北部が5%、南部が95%とその差は圧倒的ですが、それぞれのワインスタイルと価格の幅広さから、どちらも世界的に有名な産地となっています。
■ギガルってどんな造り手?
多種多様なワインが生産されているローヌの中でも、ギガルは北部ローヌに拠点を置く最大規模のメゾンです。創業は1946年と比較的新しいですが、わずか半世紀ほどで年間600万本ものワインを生産するローヌ有数の生産者に登りつめました。畑は選りすぐりのアペラシオンの中から優れた区画のみを購入、ブドウは減農薬栽培で収量を厳しく制限し、ワインの品質に重要な影響を及ぼす樽まで自社で製造するなど、品質にも徹底的にこだわることで、ヴィンテージに左右されないクオリティの高いワインを生み出し続けています。各アペラシオンの魅力を忠実に、そして丁寧に表現したその味わいから、「ギガルを飲めばローヌがわかる」とも言われているのです。
■気になるそのお味は…!?
まずは新入荷の5種の中から、スタッフ人気が高かったものを探るためアンケートを実施。個人的BEST3を各スタッフに選んでもらい、その票数が多かったアイテム順にランキングにしました!それぞれが感じたオススメポイントと共にご紹介します。
【第5位 サン・ジョセフ 2016】
ローヌ北部のシラー100%で造られた1本。ブラックチェリーと胡椒、タールやナッツなどの複雑な香り。口の中に押し広がる果実味とタンニンで、豊かな余韻が感じられます。牛肉の赤ワイン煮込みやビーフストロガノフなど、お肉料理に合わせたい1本で、普段使いもしやすいお値段なのが嬉しいポイントです。
― 抜栓直後から開いていたので、「すぐに美味しい赤が飲みたい!」という方に特にオススメです(菅野)
― 北部ローヌの中でも、コートロティやエルミタージュと比べてややマイナーなアペラシオンですが、ギガルならではの高いクオリティが伺えます(河合)
【第4位 シャトーヌフ・デュ・パプ(白)2017】
南部のこの地域ではあまり生産されていない珍しい白ワインで、白桃やバナナ、洋ナシの控えめな香りに、フレッシュな酸で涼しさを感じるような綺麗なバランスが感じられます。ローヌらしい果実味がありながらもエレガントなワインです。サラダから魚介類のグリルまで幅広く合わせられる1本で、香りや味わいの違いから2位の『コンドリュー』との飲み比べもオススメです。
― なめらかなアタックで優しい表情を見せた後、フレッシュな酸でいきいきとした元気な姿が感じられるのが好印象でした(金谷)
【第3位 シャトーヌフ・デュ・パプ 2015】
バラとスパイス、ハーブ、ブルーベリーの香りに、ボリューミーな果実味と綺麗な酸味、きめ細かくしっかりとしたタンニンが感じられ、長い余韻があります。開けたては大人しい印象ですが、時間経過とともにその表情は一変。スミレやレッドチェリー、リコリスやトーストなど、華やかで溢れんばかりの香りに、綺麗な酸味とシルキーなタンニンが合わさり、滑らかな余韻に続くワインへと開花します。
― 買って寝かせておいても良し、開けてからじっくり時間をかけて楽しんでも良し。まさにギガルの底力が感じられるワインです(安藤)
【第2位 コンドリュー 2017】
スタッフ人気No.1の白ワイン!華やかな芳香とボリュームのある味わいで、いま世界で人気が高まっているヴィオニエ100%で造られています。香りはマンゴーやトロピカルフルーツの盛り合わせ。丸みのある酸に強い果実味があり、最後に心地よいほろ苦さで引き締まる、バランスに優れた1本。パッと分かりやすい華やかな香りとその味わいは、どんなシーンで飲んでも楽しめるオールマイティさを持ち合わせています。
― トロピカルな香りと風味なので、生春巻きやナシゴレン、ココナッツカレーなどにも合いそうです(大久保)
― 初心者からワイン好きまで幅広くオススメできます(五十嵐)
― まさに“味惚れる”ようなワインでした!(河合)
【第1位 コート・ロティ CHダンピュイ 2014】
堂々の第1位に輝いたのは、ギガルの本拠地「ダンピュイ」の名を冠した傑作。他とは一線を画す圧倒的な果実味に、きめ細やかでこなれたタンニン、パワフルな風味と力強い酸味、そしてエレガントな余韻を兼ね備えた素晴らしいワインです。試飲会では13~15年を比較しましたが、14年はまさに今、飲み頃を迎え始めたところ。今飲んでその素晴らしさを感じるのも良いですし、もう少し寝かせて、そのパワーが存分に発揮されるのを待つのも一つの手です。ぜひそのポテンシャルの高さを確かめてみていただきたい逸品です!
― ヴィンテージは違いますが、CHダンピュイは以前、ブラインドテイスティングで5大シャトーのCHラトゥールと間違えたことがあります。香りの量と味わいの凝縮感に近いものを感じました(安藤)
■ワイン選びに迷ったら
ローヌのワインは、赤白様々な品種と個性で価格も幅広く、何を選べばいいのか迷ってしまいがち。そんな時には、品質に徹底的にこだわったローヌの帝王「ギガル」のワインがオススメです。どの価格帯でもアペラシオンの個性を忠実に表現し、ヴィンテージが変わっても安定した味わいを提供し続けている素晴らしい造り手。きっとそのクオリティの高さに驚かされることでしょう!
お手頃で美味しいものが飲みたい…。そんなときにピッタリなギガルのワインはこちら!
●コート・デュ・ローヌ ルージュ
ブラックチェリーとスパイスの香りに果実味とタンニンが程よく効いた、ギガルのエントリーワイン。
●コート・デュ・ローヌ ブラン
パインやバナナの香りに、柔らかい果実味とまろやかな余韻が感じられる1本。
― どちらも私の入社前から弊社のド定番ワインで、安定感抜群。この価格でこれだけ満足感のあるワインを造れてしまうのは「さすが」の一言です(吉澤)
●クローズ・エルミタージュ 2016
赤・黒両方の果実に、バターとスパイスの香り。骨格があり、上質できめ細やかなタンニンが感じられます。
― スパイシーな香りと酸味があるので、柑橘やバルサミコなどのソースを添えたお肉料理と相性が良さそうです(石井)
白~赤と全アイテムの試飲を終えたスタッフからは、「(ワインと一緒に)お肉が欲しい…」という声がちらほら。各アペラシオンの個性を感じながら、ぜひその日のお料理に合わせてギガルのワインを楽しんでみてください!
それでは皆さま、良いワインLifeを♪