「国産のぶどうを100%使用して国内で造られたワイン」を対象とした、日本で唯一のコンクール、Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)の審査結果が7月31日に発表されました。2003年から始まった日本ワインコンクールは、日本ワイナリー協会、日本ソムリエ協会、葡萄酒技術研究会、道産ワイン懇談会、山形県ワイン酒造組合、長野県ワイン協会、山梨県ワイン酒造組合、山梨大学ワイン科学研究センター、山梨県の9団体によって構成される日本ワインコンクール実行委員会が主催するもので、今回で16回を数えています。今年は昨年より1県多い24道府県の104ワイナリーから787点がエントリーされ、下記の評価にて金賞22本、銀賞88本、銅賞189本、奨励賞29本の合計328本が受賞しました。
金賞 : 17.5点以上
銀賞 : 15.5点以上17.5点未満
銅賞 : 13.5点以上15.5点未満
奨励賞 : 12.0点以上13.5点未満
部門最高賞 : 各部門中最高評点のワイン
コストパフォーマンス賞 : 2,000円未満で部門中最高評点のワイン
2018の傾向
欧州系赤はメルローが最多出品。金賞は大手メーカーの独占となりました。シラー、カベルネ・フランやピノ・ノワールなど品種の特徴をつかんでいるものも多く今後が期待できます!欧州系品種 白は入賞全体の約6割がシャルドネ。金賞にゲヴュルツトラミネールが入賞したのは驚きでしたし、ケルナー・ソーヴィニヨンブランの躍進もありました。甲州は山梨が中心地で高品質なものが全体的に多いですが、スタイル(樽使用)や産地の広がり(山形や埼玉)が見られたのが面白いところです。国内改良赤では、マスカット・ベーリーA中心。樽未使用のフルーティーなワイン、樽使用の重めのワインそれぞれ良いワインがあります。小公子という貴重な品種も入賞しています。スパークリングは甲州らしいのソフトな質感とフルーティーさが毎年人気のあのワインが最高部門賞となりました。
主な受賞ワイン
金賞、部門最高賞(★)、コストパフォーマンス賞(☆)
≪欧州系品種 赤≫
★金『シャトー・メルシャン 椀子オムニス 2015年』(シャトー・メルシャン)
●金『シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー 2014年』(シャトー・メルシャン)
●金『ソラリス 信州千曲川産 メルロー 2015年』(マンズワイン 小諸ワイナリー)
●金『シャトー・メルシャン 城の平 2013年』(シャトー・メルシャン)
●金『ソラリス 信州東山メルロー 2015年』(マンズワイン 小諸ワイナリー)
☆銀『グランポレール北海道ツヴァイゲルトレーベ』(サッポロビール 岡山ワイナリー)
≪欧州系品種 白≫
★金『安心院ワイン シャルドネ リザーブ 2016年』(三和酒類 安心院葡萄酒工房)
●金『シャトー・メルシャン 新鶴シャルドネ 2016年』(シャトー・メルシャン)
●金『ソラリス 信州シャルドネ樽仕込 2017年』(マンズワイン 小諸ワイナリー)
●金『TOMOEシャルドネ新月』(広島三次ワイナリー)
●金『サントリージャパンプレミアム 津軽産ソーヴィニヨン・ブラン 2017年』(サントリーワインインターナショナル)
●金『おたるゲヴュルツトラミネール 2017年』(北海道ワイン)
☆銀『NAC ピノ・ブラン 2017年』(井筒ワイン)
≪国内改良等品種 赤≫
★☆金『柏原ヴィンヤード 遅摘み 赤 2017年』(朝日町ワイン)
●金『シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA 2014年』(シャトー・メルシャン)
●金『山梨のベーリーA 樽熟成』(蒼龍葡萄酒)
●金『クオネスヤマソーヴィニヨン』(能登ワイン)
≪甲州≫
★金『グランポレール山梨甲州樽醗酵 2017年』(サッポロビール グランポレール勝沼ワイナリー)
●金『源作印 甲州 シュール・リー 2017年』(秩父ワイン)
●金『ドメーヌ シャトレーゼ甲州 2017年』(シャトレーゼベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー)
☆金『グレイス グリド甲州 2017年』(中央葡萄酒 グレイスワイン)
☆金『豊穣神話 甲州』(月山ワイン山ぶどう研究所)
≪北米系等品種 白≫金賞該当なし
★☆銀『塩尻ナイアガラ 2017年』(林農園)
☆銀『綾ワイン デラウェア』(雲海酒造 綾ワイナリー)
≪欧州・国内改良品種等ブレンド 白≫金賞該当なし
★☆銀『グランポレール エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ 泉―SEN―』(サッポロビール 岡山ワイナリー)
≪極甘口≫金賞該当なし
★銀『氷果の雫 ナイアガラ 2017年』(林農園)
≪ロゼ≫
★☆金『㈲朝日町ワインロゼ』(朝日町ワイン)
≪スパークリング≫
★金『フジクレール 甲州スパークリング 2017年』(フジッコワイナリー)
☆銀『スパークリング マスカット・ベーリーAロゼ』(朝日町ワイン)
10月1日からは、「日本ワイン」を明確に定義する新表示もスタートしました。日本ではこれまでワインを国税庁が管轄する酒税法の中で取り扱ってきましたが、2015年に初めて日本ワインの定義や表示ルールを制定し、その3年後である2018年10月30日から適用されることが決まっていました。生産者が産地や原材料を正確に表示し、そして消費者がその表示を見たときに、わかりやすくすることなどを目的とする新表示により、日本ワインの更なる品質向上やコストパフォーマンスを期待したいです。
はせがわ酒店でも、沢山の日本ワインを取り扱っています。日本ワインコンクールの受賞酒、金賞はもちろんですが、銀賞、銅賞にも美味しいワインは沢山あります!皆さんもぜひ日本ワインのこれからに期待し、応援して頂ければと思います。