スペインの北部とフランスにまたがるバスク地方。ここはミシュランガイドで評価される星付きレストランが多く点在し、世界的な「美食の街」として知られています。この美食の街・バスクで昔から愛されてきたのが、この地方の地ワイン「チャコリ」。立ち飲み屋バルの文化が盛んなバスクでは、朝から夜までバルをはしごし海や山の幸を串に刺した一口おつまみ「ピンチョス」と「チャコリ」を楽しむのが名物となっているそうです。
そんな夢のような美食の街のチャコリとピンチョス文化を、ぜひおうちでも楽しみたい!ということで今回は、スペイン在住の友人やシェフに自宅で簡単に作れる本場のレシピを教えてもらいました。
実は簡単♪ 一口おつまみピンチョス
そもそも「ピンチョ」はスペイン語で「串」や「楊枝」という意味で、その複数形が「ピンチョス」です。爪楊枝でさした一口おつまみのピンチョスは、手軽につまめて見た目も楽しめるまさにホームパーティやおつまみにピッタリな食べ物。現地の家庭でもよく作られているそうです。
そんな「ピンチョス」に欠かせないのが赤パプリカのオイル漬け!これさえ作っておけばバゲットに好きな材料をのせてピックに刺すだけ。手軽にバスク風のピンチョスが楽しめます。材料もシンプルで、赤パプリカ、オリーブオイル、塩の3つだけ。
◆ 基本の赤パプリカのオイル漬け
1. パプリカの表面にオリーブオイルを塗る。
2. トースターにアルミホイルを敷き、1200Wで40分加熱。
3. アルミホイルで包み、トースターに戻して余熱で10分蒸す。
4. 焦げた皮をむき、種を取る。
5. 食べやすい大きさに切り、オリーブオイルと塩で味付けをする。
塩・胡椒・レモン果汁でさっと味付けしてワインと一緒にめしあがれ。
気になるチャコリとお供のピンチョス
今回オンライン店に入荷したチャコリは全5種類。左から、多くの星付きレストランで提供されている「イルスタ」、昔ながらの地酒的チャコリな「スドゥガライ」、品質向上を第一に考える山のチャコリ「ベルデュイ」、稀少なチャコリの赤の「イルスタ ティント」、クリスピーな泡が特徴的な海のチャコリ「アストビザ」です。
この中からまず気になったのがロゼチャコリ。さっそく作ったピンチョスと合わせてみました。
ゲタリアコ・チャコリーナ・ロゼ 2021 / スドゥガライ
ベリー系のスッキリした果実味と酸たっぷりの微発泡。今回用意したオイリーな具材がのったピンチョスやオリーブオイルをたくさん使った料理も、しっかりとした酸のおかげでさっぱりと楽しめました。また、普段なかなかワインとあわせにくい韓国料理、特に甘辛いヤンニョムやチーズたっぷりのチーズタッカルビなどにも気になるところです。濃い味付けの料理や脂がのった肉料理などにも合うのでしっかり冷やして夏のバーベキューでも活躍しそうです。
◆ 赤パプリカとオリーブ/生ハムのピンチョス
<材料>
・バゲット
・赤パプリカのオイル漬け
・オリーブ
・アンチョビ
・生ハム
カットしたバゲットにオリーブ、赤パプリカのオイル漬け、アンチョビをピックで刺してまずは1品出来上がり。少しバターをのせると、バターのコクとアンチョビがとても合いますよ~!次は生ハム、赤パプリカのオイル漬けをのせれば生ハムのピンチョス完成。今回は色合いを考えて夏の定番食材ナスをオリーブオイルでソテーしたものものせてみました。ピンチョスはアレンジ自在。ワイングラス片手に飲みながら作れてしまう手軽さです。
その名もピルピル !
アラバコ・チャコリーナ・ピルピル 2022
チャコリと言えば軽やかな発泡感と強い酸味が特徴ですが、こちらはフレッシュで程よい味わい。チャコリの入門としてぜひおすすめしたい1本です。ピンチョスにはもちろん、ワインの名前と同じバスク地方の伝統料理「ピルピル」にも合う料理を選ばない超万能チャコリ。また、和食の出汁や様々な調味料やスパイスのきいた中華料理とも合わせられそう。天然の微発泡感が楽しめて、乾杯にもピッタリです。
◆ 伝統料理 ピルピル
せっかくなのでバスク地方の伝統料理「ピルピル」も作ってみました。「ピルピル」とはタラをオリーブオイルでじっくり煮る料理なのですが、煮ている時にピルピルという音がするのでこの名前になったそうです。本場では干しタラを使うようですが、日本ではなかなか手に入らないので甘塩タラで代用しました。
<材料>
・甘塩タラ
・にんにく
・鷹の爪
・塩
・オリーブオイル
1. 甘塩タラは骨を抜き、一口大に切る。
※生タラを使う場合はしっかり塩を振って、冷蔵庫で一晩寝かせると良いです。
2. スキレットや鍋をあたため、1センチくらいの高さまでオリーブオイルを注ぐ。
3. 薄切りにんにくと輪切りの鷹の爪を鍋に入れ、にんにくの香りが立ち、きつね色になったら取り出す。
4. タラは皮面から鍋に入れる。弱火にかけ、両面を焼く。
5. タラは何度かひっくり返し、鍋をゆっくりと、円をかくように回す。
6. 沸騰したオリーブオイルとタラのゼラチン質が乳化してクリーム状になったら完成。
甘塩タラの塩味のみで物足りない場合は、塩、胡椒をプラスしてください。加熱していくとオリーブオイルがはねるので調理の際はご注意くださいね。実際に作ってみて、乳化してクリーム状になるのを鍋をゆすったりしてじっと待ったのですが残念ながら乳化には至らず…。それでもニンニクの香りと程よい塩味のタラにチャコリがぴったり。鍋に残ったオリーブオイルをバケットにつけて最後まで美味しくいただきました。
この夏はチャコリとピンチョスで美食を堪能♪
微発泡で酸味が強く一般的なワインよりもアルコール度数が低めなチャコリは、和・洋・中とどんな料理とも合わせやすい軽やかな味わい。冷蔵庫や氷水でキュッと冷やしてグラスに注げば、まさに夏にピッタリな爽やかさが楽しめます!梅雨明けし夏本番を迎えるこれからの時期は、楽しい仲間たちを集めてチャコリとピンチョスを楽しみませんか?
この他にもはせがわ酒店オンライン店では夏にピッタリなチャコリをご用意しております。お気に入りのチャコリ片手に、ぜひ涼やかで充実したひとときをお過ごしください♪
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